2015年5月1日。携帯電話やiPhoneユーザー待望のニュースがかけめぐりました。ユーザーの希望でありながら実現するかどうかと思われていた『SIMロック解除義務化』の一報が入ったからです。もう非公認や違法な方法でSIMロックを解除をしたり、リスクを負いながら部品追加や交換をしなくても良いのです。SIMロック解除の義務化は、通信業者側からすれば不利になる影響が予測されるために、なかなか実現は難しいと思われていました。しかしユーザーはこの『SIMロック解除義務化』によってSoftBank・au・DoCoMoの三社にこだわることなく自由を手にすることができるはずなのです。
SIMロック解除義務化のメリット
SIMロック解除義務化によるメリットを大きくまとめると3つあります。1つ目は「海外で現地のSIMを使用できる」2つ目は「国内でiPhoneで違うキャリアのSIMが使用可能になる」3つ目は「違うキャリアのMVNO SIMを使用可能になる」というところです。
1つ目の海外で現地のSIMを使用できるというのは、海外出張などが多い方や旅行をされる方には朗報です。海外用に携帯電話をレンタルする方法もありますが、自分の携帯電話の場合はキャリアに国際ローミング費用を支払うことになってしまいます。現地の通信であるSIMを使用できれば、かなりリーズナブルになります。ロックがかかっている状態では、海外のSIMももちろん受け付けてはくれません。
2つ目は国内の違うキャリアのSIMが使用可能になったことです。今まで継続でも新規でも端末と回線の契約が一緒になっていたので高額になっていました。キャリアは本体の値引き合戦したりしていましたね。今度は本体がまだまだ使用できるのなら、SIMだけ変えることができます。家族と同じキャリアにしたいとか、自宅や職場などのよく使う場所での通信の入り具合が良いキャリアに変えたいという方もいらっしゃいますから便利になります。
3つ目は違うキャリアのMVNO SIMが利用可能になるという点。これまでのMVNO SIMはほとんどがDoCoMo回線を利用したものだったので、iPhoneをDoCoMoで購入していた分には良いのですが、SoftBankやauでは使用できないものでした。しかしこれからはSoftBankやauのiPhoneをSIMロック解除することで他の格安回線などのSIMも使うことが出来て、目的に応じた使い方も可能になります。制限されてきたユーザーにとって、使用の自由が広がった醍醐味がここです。
SIMロック解除義務化はどこから?
SIMロック解除義務化は、キャリアが勝手に相談して行ったものではなく、総務省のガイドラインによって定められたものです。2014年12月の改正により、従来の「事業者の自主的な取り組み」から義務化へという強制に変わったのです。キャリア側からは180日間の継続利用ののち、SIMロック解除ができるということになっています。これまで数万円もの端末を購入しても他のキャリアでは使えないのでキャリアを継続するというビジネスモデルから脱却する形になります。原則的に全ての端末のSIMロック解除になりますが、キッズ携帯や見守り端末やフォトフレームなどの特定のものについては対応していません。
SIMロック解除でキャリアとユーザーの変化は?
SIMロック解除義務化といっても、別にキャリアを無理に変更することもなく、サービスを継続しても良いのです。その際は、これまでと特に変わったところもないでしょう。
しかし、端末を持って他のキャリアに移る場合は、端末料金を負担することがユーザーにとって無くなります。小さなパソコンと呼ばれるだけあって、お値段数万円しますから大きいですよね。代金はSIM代金と通信サービスの料金だけになります。ところが、これまで端末代金を割り引く代わりに、通信料から端末割賦代金の一部を月々サポートする料金体制が主流でしたから、端末購入がなくなるとこの割引はなくなるでしょう。「実質0円」などというCMや広告が良く見られてきましたが、端末代金補填やキャッシュバック分が通信料などの安さへ添加されればうれしいところです。もっとも、割引がなく今までよりちょっと安い程度で収まるようになるのか、キャリア同士の競争で新たな顧客獲得の企画が生まれてくるのかはこれからのお楽しみです。
SIMロック解除ですぐには喜べないところ
SIMロック解除ではすぐには喜べない、この点はこれからのキャリアの対応がどうなっていくかが注目だと思います。SIMロック解除で他社へ持ち込む際には、キャリアの通信方式や周波数帯の違いに注意して持ち込みたいところです。というのは、今まで自分のところのキャリアでしか使わないことを前提としてきたので、他のキャリアと共通性は持ってこなかったのです。DoCoMoとソフトバンクはW-CDMAで、KDDIauはCDMA2000となっています。違う通信方式や周波数帯ではSIMロック解除したところで、持ち込んでも利用できないということになります。通信大手3社の中でKDDIauが違いますが、周波数等の種類などはauのホームページにも載せられて確認することができます。他へ移ることができる周波数は少ないですね・・・。